『ふとんの話』
あらすじ:
貧しい長者が、毎日ふとんの夢ばかり見ていました。するとある日、長者が里山を歩いていると、古びた祠の中にふとんを見かけます。長者はそれを家に持ち帰りますが、その夜、ふとんから声がして、「このふとんは金持ちのものだ。貧乏なあなたには合わない」と言います。
翌日、長者はふとんを屋敷に運んで裕福な人に売りますが、ふとんはまたも「自分は金持ちのふとんではない」と主張します。長者は困惑し、ふとんを寺に寄付します。しかし、ふとんは「自分も貧しいもので、寺にふさわしくない」と言います。
長者は途方に暮れますが、一人の老婆がやってきて、「このふとんは、ある人が亡くなったとき、貧しい人にあげるようにと頼まれたものだ。あなたは貧しいから、ふとんがあなたのもとに来たのだ」と教えます。
長者は老婆に感謝し、ふとんを大切に使います。すると、ふとんは暖かく包み込み、「一生あなたを守ります」と言います。
教訓:
1. 欲に惑われないこと: 長者はふとんの夢に惑わされ、裕福になろうとしましたが、ふとんは真の豊かさは物質的なものにはないと教えてくれました。
2. 人の分際を知る: ふとんは、自分にはふさわしくない場所にいることを理解していました。私たちは自分の居場所を知り、それを受け入れるべきです。
3. 貧しさも受け入れる: 長者は貧しいことに不満を持っていましたが、ふとんは貧しさを受け入れ、そこに価値を見出すことを教えてくれました。
その他の特徴:
- オリジナルは江戸時代の昔話です。
- まんが日本昔ばなし版は1976年に放送されました。
- ふとんの声はアゴなしゲンで有名な野沢雅子が担当しました。
- 作中では、民謡「とおりゃんせ」が効果的に使用されています。