あらすじ
播磨の国(現在の兵庫県)に、めっかいという貧しい男が住んでいました。めっかいは農業を営んでいましたが、土地が貧しく収穫は少なく、日々困窮していました。
ある日、めっかいは山で薪を拾っているときに、大きな松の木の下で黄金の斧を見つけました。めっかいは喜び勇んで斧を持ち帰り、貧困から脱することができました。
しかし数日後、めっかいは川で斧を流してしまいました。困り果てためっかいは、木こりのところに行き、事情を話しました。すると木こりは別の斧を差し出しました。めっかいは嬉しがり、その斧を持ち帰りました。
ところが、めっかいが別の斧を持ち帰ると、今度は木こりが自分が流した斧はどちらか分からないと言い出しました。めっかいは正直に自分が流したのは黄金の斧ではなく、木こりの斧の方であることを伝えました。
この誠実さに感心した木こりは、黄金の斧と木こりの斧の両方をめっかいに譲りました。めっかいは大喜びで、それからは富と名声を手に入れました。
教訓
この物語の教訓は次のとおりです。
- 誠実であることは大切: めっかいは正直に流した斧が自分のものではないと認めたことで、最終的に報われました。
- 他人に親切にする: 木こりはめっかいの困窮を見て同情し、斧を譲りました。
- 運は巡り巡ってくる: めっかいは幸運にも黄金の斧を見つけましたが、その後それを流してしまいました。しかし、彼の誠実さのおかげで、さらに大きな運に恵まれました。