荒坂長者

『荒坂長者』

あらすじ

昔、荒坂という村に、金持ちの長者が住んでいました。長者には娘がいましたが、姿が醜かったため、なかなか結婚できませんでした。

あるとき、長者が娘のために縁談を探していると、貧しい若者がやって来て、娘と結婚したいと申し出ました。若者は貧乏でしたが、勤勉で心優しい青年でした。

長者は娘の容姿に難があったため乗り気ではありませんでしたが、若者の誠実さに心を動かされて結婚を承諾しました。

展開

結婚後、若者は家の仕事を手伝い、畑を耕しました。ある日、畑を耕していると、大きなつぼが掘り出されました。つぼの中には、たくさんの黄金が詰まっていました。

長者は黄金を見て大喜びし、娘と若者は裕福になりました。しかし、突然、鬼が現れて黄金を奪おうとしました。

若者は鬼と勇敢に戦いましたが、力及ばず、鬼に黄金を奪われてしまいました。落胆した長者と若者は、これからどうすればいいのかと悩みました。

すると、若者は「鬼に負けた悔しさより、黄金を失ったことを嘆く方が情けない」と言い、畑を耕し続けました。

すると、また大きなつぼが掘り出されました。つぼの中には、黄金だけでなく、米や布などの財宝が詰まっていました。

長者と若者は大喜びし、また裕福になりました。しかし、再び鬼が現れて財宝を奪おうとしました。

結末

若者は鬼と戦いましたが、またも力及ばず、財宝を奪われてしまいました。しかし、若者はくじけませんでした。

「鬼に負けても、また働けばいい」と前向きに考え、畑を耕し続けました。すると、またまた大きなつぼが掘り出されました。

つぼの中には、黄金、米、布だけでなく、福徳や長寿の宝物が詰まっていました。長者と若者は、鬼の襲撃を受けても、最後まで前向きに働き続けたおかげで、永遠の幸福を手にすることができたのです。

教訓

この物語からは、以下のような教訓が得られます。

  • 努力が報われる
  • 前向きに考え、あきらめないことが大切
  • 物質的な豊かさよりも、精神的な豊かさが重要